スイスの建築家、Peter Zumthor(1943-)の講演録です。タイトルの通り、空気、空気感、雰囲気などと翻訳される「アトモスフェア」をキーワードとして、すぐれた質の建築とは何かを考え、論を進めます。建築というと、大きくてがっしりと形作られた物体と捉えられますが、実際に体験するのは、その場の空気と言えます。その空気を、例えば文字を読み解くのとは異なり、音楽にも似て即座に感知するとツムトアは言います。そのような抽象的な感覚をいかにして実現させるか、いくつかの観点が語られます。
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