建築を設計するひとがいて、実際につくるひとたちがいて、その建築をつかうひとびとがいる、分業的な建築のつくられ方と使われ方があり、いまではそれが、すっかり当たり前になりました。かつて、あるいは、いまでもどこかでは、住み使うひとがみずから建築をつくっていたのです。わたしたちに、暮らす場所を整える力は、どれだけあるのでしょうか。Bernard Rudofskyさんは、「生活の技術などというものは道楽の一種だと考えているのだ」と言います。それほどまでに豊かになったのかもしれません。しかし、なぜか建築に、失われた質があるように感じられるのです。
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