書いているとき、誰かに向けて、誰かに読まれることを知りながら、最初にそれを読むのは自分ひとり。ひとりであることと、他のひとと共にあることとは、いつも重なり合っている。その重なり合いのなんとも微妙である姿、そのままのかたちに出会ったら、何を思うだろうか。たとえば、起きた事実を読んで、書いたひとの心が入りこんできてはすっかり同調してしまい、記された心を読んで、直面した事実のまさに事実らしさにみずからも向き合って考え込むだろう。かたちは、間違いなく生活のなかでつくり出されている。かたちをつくることは難しいかもしれないけれど、かたちを壊すことは、けっしてせずにいたいと思う。
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