星や月は、眼には見えるが手で触れられはしない。眼で見えてはいるが、それがわたしと同じ今のことなのか分からない。それでもなぜだか、在ることへの信頼を向けてしまう。触れられないものを信じた思考は、まるで、サイズを縮めたミニチュアの世界をつくり出す。はるか遠くを見ていたのに、小さくて手で扱えるものへとじっとりとした愛情が向けられる。湿った目線の先で、小さきものたちが動いている。そこはからりと乾いた機械仕掛けの関係性。天体は、今も昔も規則正しく作動していて、人がそこに意味づけしているだけなのかもしれない。機械と機械のあいだ、物語の時間は、どこにあるのだろうか。
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