つくられたものたちに囲まれて、決められた規則に従いながら、身体は人になっていく。一心にひとつの方向に向かう人々に踏みつけられつづけて、すっかり空間は沈み込んでしまった。だからもうこのあたりは、一見にぎやかなに感じられるが、からっぽの箱ばかりが目立つ。蹴つまずくだけの縁石、誰も触れたがらない手すり、不自然で歩くには急な傾斜。それらとともに浮かび上がる身体は、もっと大きな定めである重力とさえ戯れる。その瞬間、その都度、建築される。そこで人は、身体になれる。空間が、ずっと愛おしくなる。
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