たくさん歩けば靴底は減っていく。減った量は、そのひとがどれだけ歩いたかを示すとも言えるが、たんに歩いているときの足運びの癖のせいにすぎないとも言える。いつも偏った減りかたをするのは、偏りのある振る舞いをしてしまったからだろうか。その場所や、そのひとを、レンズはそれらが在るがままに、からりと切り取る。しかし、わたしはそのうちの何かに焦点が合っていたのだ。切り取るそのときに見ていたこと、あるいは、見ようとしていたことを、浮かび上がりつつある像を前に思い出す。個別にあったひとつの記憶が、ただよって偏在し始める。
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