文化人類学、ジェンダー研究、美術・工芸史、ファッション研究…さまざまな視点から、いちばん身近なものづくり=「手芸」の輪郭をあぶり出す。
かつて「女らしさ」や「素敵な家庭」といった価値と結びつけられていた手芸も、いまや従来の概念を超え、世界各地で余暇的・趣味的な仕事として多様な展開をみせている。それらは男性も担い手に含み、アート、フェアトレード商品、エスニック雑貨などとして美術や市場の領域にも進出している。
また手軽なキットやインターネット上のハンドメイドマーケットの登場により、誰でもつくれて誰でも売れる環境となっているのが、現代の手芸をめぐる状況である。
さらに趣味を通じた人的ネットワークの形成や、それらの災害後におけるケアとしての機能なども注目を集めている。
これまで批評・研究の世界で取り上げられてこなかった未開拓の分野=「手芸」について、
「つくる」「教える」「仕分ける」「稼ぐ」「飾る」「つながる」の6 つのテーマから迫る、画期的な一冊。
手芸という存在の意味や、時代の潮流によって変わる捉えられ方。今はあらゆる文化や世界の手仕事へアクセスしやすくなってネットさえあれば遠い世界で産まれた手芸も作れてしまう。だからこそその手芸が生まれた文化を大切にして知っていこうと思った。大好きな手芸がもっと大好きになりました。
『現代手芸考 ものづくりの意味を問い直す』
上羽 陽子 (フィルムアート社 2020)
¥2,640
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