抽象的と形容されるような、あいまいな色と形が浮かんだ画面。しかし反対に、見たそのままの物体の、画面に触れた痕跡が具体的すぎるほどに残されてもいる。それらの並列が、すでに詩との関係性を物語っているのかもしれない。複数回、同じように刷られることが想像される版画において、そのイメージとはほど遠く感じられる、即興という言葉。まるで自らも、つぎに現れる図像がどのようなものか、楽しんでいるかのよう。寡黙にも思える、一枚の紙にかかれた絵、あるいは言葉から、そこにはないものへと連なっていく。感情が動き出す。
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